「体を鍛えること」を追求していけばいくほど本当に奥が深いものだ。特にボディビルからは学べるものが非常に多い。そして、観察しているとどのプロのボディビルの選手も重い重量を追及したうえで凄まじい肉体を手に入れている印象が強かったりする。
例えば、凄まじい肉体を持つボディビルの人が「重たい重量を扱わなくてもしっかり効かすことが出来れば同じような体をつくれる。俺は今は重量を扱っていない」と言ってるシーンはよく見かける。
だがしかし、そう言っても” 高重量を扱っていた時期を通ってきたからこその身体 “ということがほとんどではないだろうか。
とある凄まじい筋肉を纏ったボディビルの偉大な先人を参考していると特にそう思えるわけだ。そんな今回の記事はマッスル北村さんの書籍(雑誌)から学ぶべきものをピックアップしていく!
参考: マッスル北村 伝説のバルクアップトレーニング 2012年 10月号
憧れの伝説のボディビルダーマッスル北村の鬼の試行錯誤から学んでいく!
高重量でのトレーニングは怪我がつきものだが、そのリスクを背負うことで、負荷に応じた身体が手に入れることが出来る場合が多い。しかし、多くの人は高重量へ行くまでに挫折するし怪我をして諦めていくが、本書を見てみると、マッスル北村さんのトレーニングは基本的に高重量で行うことを主軸に置き、尚かつ怪我しても怪我しても前へ進み続ける姿勢を持ち合わせていた。
このことからも、あの怪物のような巨体は” 底知れない覚悟と鍛えることに対しての愛 “から出来た身体なのだと強く感じた。
勿論、それだけではなくマッスル北村さんは試行錯誤を絶えず怠らない。努力して努力してダメならやり方を変えて再びトライするのだ。
僕の周りの人は「なあ北村君,せめて150Kgが挙げられるようになったら,いくら何でも胸に筋肉が付くさ」って言ってくれて。そうかと思って,それでまた一生懸命ベンチプレスをして,150Kgを挙げられるようになったんですけど,それでもまだ筋肉は付かない。
わかった!170Kgを挙げられるようになれば絶対に筋肉が付くぞと思ってやっていたんですけど,結局180Kgを挙げられるようになっても胸に筋肉は付かなかったんです。そこまできてようやく僕にはベンチプレスは効かない,もうベンチプレスをやめようと思いました。
P22: 僕にはベンチプレスは効かなかった
本書を読んでいると本人はとてつもなく必死に頑張っているのに、なぜだか凄すぎて笑えてくる。
最初はベンチプレスを70Kg~80Kgで練習していたのを「とりあえず170Kgまで頑張る」という努力自体が既に” 天性の才能 “だと言えるだろう。
ほとんどの人はベンチプレス140Kgいくまでに諦めるというか関節や筋肉がついていかなくて割り切るもの。だが、本書を見ていると、人が普通諦めるラインを当たり前のように諦めなければ多くの人より凄くなれるのだと改めて感じさせられた。
マッスル北村さんは努力してみて自分には向いていない種目と判断したうえで、そこで要約次の試行錯誤を開始していく。それにしても「向いていない」というのはもはや化け物が放つネガティブである。
とにかくわかったのは,このままではいかんということだけです。それで,思いついたのが背中に細かい幅の台を敷くようにすることなんです。(実際の北村さんはエアーパッキングを丸めて作ったものを使用しています)。というのも,ベンチ台に仰向けになって両手を広げると,肩甲骨が当ってしまって,それ以上,下がらない。
それだと十分に胸が伸展しないんです。だから細かい幅の台のようなものを背中に当てれば,その分,筋肉が伸びるようになるから,大胸筋がストレッチできるに違いないと思ったんです。
P23: 僕にはベンチプレスは効かなかった
ダンベルフライを実際にやってみたんです。とにかく肘が下がるところまでギューっと下げて。そしたら大胸筋がミリミリいって,翌日は死ぬような筋肉痛に襲われました。それ以来フライの虜になってしまったんです。
P23: 僕の胸はダンベルフライ(筋細胞が増える)とディセン…
筋発達させるためには筋肉を意識しやすい種目の選択が鍵になる。マッスル北村さんの場合は自分に向く種目探しをするのは勿論のこと筋肉を最大限まで追い込むための工夫や細工まで行う。
また、先ほども言ったようにマッスル北村さんは高重量トレーニングをベースに置いているので「読者さんには勧めにくい」と本書にはある。
★POINT
高重量トレーニングを参考にするのは難しいが、マッスル北村さんのトレーニングに対する姿勢を参考にしていきたい!
計り知れない努力!狂気のセット数!
筆者の場合、セット数を多くやっていた時期でも20SET。それはそれで続ければ続けるほどやはり疲労も中々抜けてくれなかったりする。これでも多い方だと思っていたが、本書を見てみるとマッスル北村さんは狂気と言えるセット数をこなしていたようだ。
当時通っていたジムには35Kgまでのダンベルしかなかったんですが,その35Kgのワンハンドプレスがその頃の僕にとってはとても大変だったんです。とにかく全身を使って上げました。
脚も腕も,すべての筋肉を使ってできるだけ高く。それを20セットも30セットも繰り返していました。そうやって作った肩のおかげで,ミスター東京で優勝することができたんですよ。
P27: 昔は肩といえばバーベルショルダープレスそれより…
ワンハンドのプレス1種目を20セット、30セットとこなすその集中力と根気は凄まじいとしか言いようがない。常人ならば10セットあたりでその1種目に対する集中力が疎かになってくるだろう。
マッスル北村さんは本当にトレーニングと肉体改造を愛しているのだとしみじみ感じさせられた。
余談ではあるが、結果を出しているトレーニーはやはりハイボリュームトレーニングである事が多い。後々にボリュームを少なくしているにせよ、皆共通してハイボリュームのトレーニングを経験しているものだ。
種目によってはマッスル北村さんでさえ重量を落とす場合もある!
例えば自分にとっての高重量のトレーニングを扱い、調子が良いと全て高重量よりで練習してしまう事もあるだろう。特に背中種目では高重量よりのセットを信用しがちになってしまう。この場合「本当は低重量が自分によく効く種目」と対面している事に気づけなかったりする。
だが、マッスル北村さんのようにトレーニングに対して場数を踏み「試す事」を怠らなければ普段自分が普段気付けないシーンもより早く気づけるようになるのだ。
最初の頃はどうしても高重量を使う癖が抜けなくて,この種目でも重量を重くしすぎてしまってやっぱり反動を使って腕で引いてしまいがちでしたが,重量を落としてストリクトフォームを意識するようになったことで,背中の厚みが出てきて,僧帽筋の発達にもかなりの効果を発揮してくれました。
P31: まずは北村式スミスマシン” デッドローイング “
上記のことからも、種目によっての試行錯誤は大事だと改めて感じさせられる。
本書を通して読むとまさにマッスル北村さんは“試行錯誤の鬼”である。
さて、今回の記事では、マッスル北村さんのトレーニングに対する姿勢をピックアップしたが、本書では写真付きで様々な” なるほど “と言えるテクニックも公開されていた。
非現実的な背景から貰えるモチベーションだけではなく、現実的な参考資料としてもとても学べるものが多かった。
1千回と1千1回とでは天と地の隔たりがあった。まさに最後の1回は全身全霊の限界力を振り絞った一発。その前の1千回はこの1回のためのお膳立てに過ぎない。最後の一発はその前の1千回に勝るとも劣らない価値がある。
マッスル北村
何度も言うが本書はすごすぎて笑えるのでおすすめなうえ、モチベーションが無限に貰える伝説の一冊だ。
それではまた!
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