ベンチプレスで背中を反る(アーチをつくる)フォームVSアーチをつくらないフォーム

終末筋トレハック

ベンチプレスは人によってフォームの作り方は様々である。最もよく聞く一般的なフォームは肩甲骨をしっかり寄せて胸を張り背中を反らせるアーチをつくるフォームだろう。筆者の場合、その一般的なフォームは可動域が狭くなってしまう感覚があった為、そのフォームの練度をあげる行動には至らなかった。しかし最近では極端なアーチはつくらないが肩甲骨をしっかり寄せて足を地面につける際お尻がベンチ台にややつく高さを保つフォームで練習している。そしてこのベンチプレスのフォームの興味深い内容がIRONMAN12月号にてピックアップされていたのでシェアしていきたい。

IRONMAN (アイアンマン) 2014年 12月号

ベンチプレスのフォームによって変わる効果

本書を読んでいると頷ける内容が多かった。記事冒頭でも少しだけこの話に触れたが筆者のベンチプレスのフォームは元々アーチをつくらずベンチ台にベタ付けにするフォームだった。

その結果、本書の内容にもあるように筆者は三角筋に効かせるタイプのベンチプレスをしていたという事にまず頷けた。

先に述べたとおり,正しいフォームを意識しながらベンチプレスを行っていた私だが,ベンチプレスによる恩恵を十分に受けることができなかった。どれだけストリクトなフォームを意識して,丁寧な動きを心がけても,私が行うベンチプレスは,下部大胸筋や三角筋前部,上腕三頭筋ばかり刺激されていた。

P25: 胸筋主体のパリーロプレス

パリーロは筋肉を発達させるための独自のトレーニング理論を持っていて,特に筋膜を引き伸ばすことが筋肥大を促すためのカギであることを主張していた人物だ。パリーロはベンチプレスについて次のように語ってくれた。

「ベンチプレスを行う人は大きく2つのタイプに分けられる。ひとつは三角筋に効かせるベンチプレッサー,もうひとつは胸筋に効かせるベンチプレッサーだ。あなたの場合は,前者の三角筋に効かせるタイプだね。なぜ三角筋に効いてしまうのか。それは,バーを押し上げたトップポジションで,胸を平らにしてしまうからだ。胸を平らにするから,押し上げるための力は三角筋から主に出力され,三角筋前部に効いてしまうんだよ」

P25: 胸筋主体のパリーロプレス

この内容から推測できるのは、筆者が行っていたベンチプレスのベンチ台ベタ付けフォームは、ベンチプレストレーニングボリュームが自分にとってオーバーしたり、なんらかのフォームの条件が合わなければ三角筋前部に負担がかかるという事にもとれる。そのことからも、肩に負担がいき肩を痛めてしまっていた理由も大きく頷けた。

ンチプレスでアーチをつくる理由

なぜベンチプレスを行うのかと言えば、本来大胸筋の発達をメインに置くのが目的だ。大胸筋を発達させることにおいて「十分に条件が満たされていない」のなら、フォームに改善を加えて本書のような内容を取り入れていくべきである。

では,どうしたら2つ目の胸筋に効かせるベンチプレッサーになることができるのか。パリーロによると,ベンチプレスを開始する前に,しっかり肩甲骨をベンチ台に押し付けるフォームを作ることが必要なのだそうだ。肩甲骨を押しつけることを意識すると,背中が弓なりにならざるを得ない。

背中にアーチをつくることは間違いだと理解していた私だが,パリーロの話を聞いて,私は背中にアーチを作るやり方を見直すことになったのだ。

P25: 胸筋主体のパリーロプレス

ベンチプレスでアーチをつくる目的は高重量をあげる為だけを重点に置いていはいない。ボディメイク的な観点からもしっかりと大胸筋にアプローチする為だと言える。

実際,背中にアーチを作ると,肩甲骨がベンチ台にしっかり押し付けられる。また,肩がベンチ台に近づき,胸が高くまで持ちあがる。これこそが,胸筋に効かせるためのベンチプレスフォームだったのだ。そうしてフォームを固めてからベンチプレスを行ってみると,確かにそれまで三角筋によく効いていたベンチプレスとはまるで違う種目を行っているような印象をうけた。

明らかにこのフォームのベンチプレスは,未だかつてないほど強い刺激を胸筋にもたらしたのだ。

このフォームを最初に作り,固めておくと,三角筋からの出力は最小限にとどめられる。というより,このフォームでは三角筋から出力ができず,制限されることがわかったのだ。胸が高く持ち上げられたフォームが固定されているから,トップで胸を平らにすることもできない。だから胸筋がバーを押し上げる際に最大限の出力を求められ,胸筋に猛烈に効かせることができるのだ。

P25: 胸筋主体のパリーロプレス

ベンチプレスで背中を反る(アーチをつくる)フォームVSアーチをつくらないフォーム

ベンチプレスでアーチをつくるという事も、ベンチプレスでアーチをつくらないという事も結局は「目的によるもの」だ。ただし、「その目的に今のフォームで条件を満たす事ができているのか?ベストを尽くせているか?」を考えて明確にしていく事はとても重要である。

ボディビルダーが行うベンチプレスは,胸筋を形良く発達させるための種目でなければならない。すなわち,大胸筋が大半の刺激を受け,セットを終えた後で,この部位が最大限にパンプするようなやり方でなければならない。

大胸筋のアイソレーションを可能にするようなやり方で行えば,大胸筋に血液が流れ込み,血液に溶け込んでいる栄養素がしっかり送り込まれ,神経系を活発にすることができる。神経系が活発になれば,より強い収縮がその部位にもたらされる。これらのことが筋発達を促す上で必要なのだ。

P25: 実はテクニックが求められるベンチプレス

本書を読み、基礎が吸収できたのであれば後は自らの身体で改めて試行錯誤していくのが良い。

世の中には足あげベンチプレスで大胸筋の発達が凄まじい人もいるのも事実なので、自分にとって一つの可能性を限定して考えるのではなく、起点を利かせていくのが賢いとも言える。

例えば肩甲骨をしっかりベンチ台に押し付ける事で大胸筋に刺激が入るという事からも、足あげベンチをする際も考え方や意識は同じように肩甲骨を寄せてベンチ台に押し付けフォームを固めるという事が重要だと解る。

これも人それぞれ肩甲骨まわりの柔らかさ、筋量によって条件が異なるが、トレーニーとして独立して進む限りは試行錯誤は常につきものだ。

効かせるためのやり方をわれわれは学ばなければならない。ベンチプレスの動作による刺激がその部位に感じられ,動作を繰り返すうちにその部位への疲労が高まるようにしなければならない。それが対象筋に効かせられるということであり,効かせるやり方こそが必要なのだ。

P25: 実はテクニックが求められるベンチプレス

IRONMAN (アイアンマン) 2014年 12月号

本書ではその他、ベンチプレスで大胸筋が発達しない人にむけての興味深い内容も書かれていた。その中でもやはりタメになったのは一般的な「アーチをつくるフォーム」についてだ。これについては改めて理解できる部分が多く、ベンチプレスについて考えを深める切っ掛けとなってくれた。

それでは今回はここまで。本日も良き1日を!

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP
CLOSE