筋トレをして身体づくりをしている我々にとって「断食」という方法は”無縁の戦略”だと言える方が多いのではないだろうか。筆者もその中のひとりで「断食をすれば栄養は断てれ、カタボリックが進んで筋肉が減るし健康的にも良い事なんてない」と思っていた。
しかし、今回はそんな断食の概念、断食に対しての見方を変える記事がトレーニング雑誌マッスル・アンド・フィットネスに載っていたのでシェアしていきたい。
参考: マッスル・アンド・フィットネス日本版 2014年5月号
「断食の効果」を根本から理解する
断食というのは文字通り「1日を通して食事をしない」といった方法を示す。
世間では過剰なダイエット法として「短期間で痩せたい」が為に”速攻で実践できる乱暴な戦略”としてこの言葉を使う人が多いので、断食のイメージは一般的には良くは無いと言える。そしてイメージ通り断食で失敗して欲望が爆破し、リバウンドする人も多いわけだ。
そもそもが断食で「短期間で痩せたいから実践する」という考えでは断食がもたらす効果が見えずらいだろう。「食事を抜くから痩せる」といった大雑把な理解ではなく、今回の記事で断食の効果やタイミングを知って「断食の魅力」を高めてほしい。
さて、本書を見てみると、断食をする場合、断食の効果を理解してから「正しい断食」を再現していく事で人によっては、“断食”が身体作りや健康面では強い手札となる確率が秘められている事が解る。
食べものを摂らないと,インスリンレベルが低下する。インスリンレベルが低いと,体内に貯蔵された脂肪がエネルギー源として使われやすくなる。「断食」が体脂肪を落とすために有効なのはこのためだ。また,断食は炭水化物の代謝を高めることや,心臓病のリスク低下,体内の炎症反応の減少,その他にも加齢によるマイナスの影響を低減させ,寿命を延ばす効果をもたらすことが,研究で示されている。
P46: 「断食」を取り入れる
本書で記載されている断食効果を見るとすぐに実践してみたくなる程、魅力的な効果だ。
また、断食で得る効果として「痩せるため、体重落とすため」ではなく「脂肪を落とすのに有効である事」を前提に置けばダイエット期以外の健康法としても活躍できそうだ。何よりこの効果を理解して実践する事で断食の意味合いや必要性は高くなるだろう。
そして最も大事なのが次の「断食をするタイミング」だ。
【筋トレ】断食で効果を得る方法!断食はどのタイミングが良いのか?
“断食”を実践する場合、「どのタイミングで断食すればいいのか?」は気になるところだ。
当然身体作りに取り入れる断食は一般的にイメージされやすい「毎日食べない時間をつくる」といった乱暴な戦略ではない。それは「絶食」である。
本書によると「トレーニング休養日に断食を取り入れる事」が勧められている。
また、本書では筋力トレーニングを習慣にしている人に向けて「断食を取り入れる事」を1つの方法/戦略として勧めている事を忘れてはならない。
短期間の断食は体内の貯蔵脂肪の減少や炭水化物の向上,筋肉の損失を防止する働き,代謝促進(36~48時間までの断食で認められている),そして寿命を延ばすといった効果をもたらす。しかし,ここであげるダイエットプランでは,休養日のみに断食を取り入れる。トレーニング日にはエネルギーをしっかりと補給し,トレーニングを効果的に行うとともに,体を完全に回復させる必要があるからだ。
P47: 「断食」を取り入れる
そして、トレーニング休養日に行う断食では、水のみを摂る(カフェイン,脂肪燃焼サプリメントはOK)事。更に断食効果を持続させるには36時間~48時間までの断食が認められているが、実践は12時間~24時間が推奨されていた。
この断食であれば「一般的にイメージされていた断食」は”ただの絶食だった”と頷けるし、身体作りをしていくうえで大きく機能しそうな戦略である。
さて、ここで一度話してきた内容をまとめてみよう。
●体内の貯蔵脂肪の減少
●炭水化物の吸収がよくなる
●筋肉損失の防止
●寿命を伸ばす
断食をする時間
●12時間〜24時間
断食をするタイミング
●トレーニング休みの日
●補足としてトレーニング日はしっかり栄養補給し回復させる事
本書「断食を取り入れる」を考察
本書を読むかぎり筆者なりの解釈としてはトレーニングする日はしっかりトレーニングの効果を得て断食はせずに食事で身体を回復させる事。トレーニングオフの時に断食を取り入れる事でカタボリックが進まず、効率的に断食の効果を得れるいう事だろう。
このことからも、力仕事や身体を常に動かしている仕事をしている人には向かなさそうな戦略とも言える。
おそらくは「トレーニングオフの時の断食」というところに重要な要素が凝縮されていると感じた。
また、ハイボリュームのトレーニングをしている人にも無縁の方法ではないかと言える。なぜなら、断食によって筋破壊した分に対しての回復させる食事(栄養)が追いつかなくなる可能性が高くなるからだ。
従って、「断食をするタイミングはトレーニングオフにする事」と同じように「断食と相性の良いトレーニングボリューム」も考えなければならない内容ではないかと感じた。
とは言っても基本的な考え方を通すばかりでは停滞に陥りやすくもあるので変化をつけていくには充分可能性を秘めた方法と言える。
参考: マッスル・アンド・フィットネス日本版 2014年5月号
さて、いかがだっただろうか。
実に面白い内容で、断食に対する見方が随分改善された。とは言っても、人それぞれに合う合わないは当然あるので断食法がストレスになりそうな場合はやらないべきである。
それでは今回はここまで。本日も良きトレーニングを!
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