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懸垂(チンニング)のやり方/効果と効かせ方

懸垂は自重トレーニングの中でも難易度の高い種目であり,自重トレーニングの中で最も上半身の体づくりに効果が高い種目です。懸垂は主に広背筋を中心に効果が期待されます。また,懸垂は「アゴをつけるだけで良い」と認知されていますが,実は背中へ効果的に効かせるにはアゴをつけるだけでは効果が薄いのです。(※試行錯誤,目的により異なる)それでは,懸垂のやり方や効果,効かせ方を解説します。
懸垂ができない方はこちら
⇒(懸垂できない人が懸垂ができるようになるための方法)
参考: ウイダー・トレーニング・バイブル
懸垂のポイント-解説-
● 息を吸いながら引き上げ,息を吐きながら下す。
● 順手は逆手よりも難易度が高く,広背筋の凝縮範囲が広い
● 掴んでいるバーに向かって胸を引き寄せる
● 体を下げる時に脱力せず,常に筋肉を緊張させる
▼注意点
● 腕の力だけで体を引き上げない
(※練習が必要なので,初めは形だけでも練習する)
● 肩をすくめない
● 無理に加重負荷を行うと,肘を痛める傾向にあるので少しずつ行う
★POINT
順手でバーを握る懸垂は手幅を広く握るワイドチンニングが最適。逆手でバーを握る懸垂は手幅を狭く握るナローチンニングが最適。ワイドチンニングは広背筋の中央部,厚みづくりに効果的で,ナローチンニングは背中の広がりをつくるのに効果的。
★順手懸垂の画像解説(背面)
★順手懸垂の画像解説(正面)
★逆手懸垂の画像解説(背面)
★逆手懸垂の画像解説(正面)
順手懸垂/ワイドチンニングの効果
主な効果 | 広背筋下部,上腕二頭筋 |
補助効果 | 大円筋,鳥口腕筋 |
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目標回数 | 8回~12回が限界の重量を基に行うが,加重がキツければ無理をせず高レップで行う。 |
逆手懸垂/ナローチンニングの効果
主な効果 | 広背筋,大円筋 |
補助効果 | 上腕二頭筋,前腕筋 |
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目標回数 | 8回~12回が限界の重量を基に行うが,加重がキツければ無理をせず高レップで行う。 |
懸垂で背中よりも先に腕や握力が尽きてしまう場合,パワーグリップをすることで握力が尽きることなく解決できます。僕の場合,懸垂をする時は必ずパワーグリップをしています。
関連記事⇒(高重量でのトレーニングでパワーグリップは危険!?)
懸垂の効かせ方メモ
懸垂で「背中を効かせる」には,バーにアゴをつけるまでの可動域では効果が最大限ではありません。ウイダー・トレーニングバイブルによると懸垂はプルアップと言われていることからも,バーを胸へ引き寄せなければいけません。一度,何も持たずにやってみてください。バーを胸へ引き寄せるフォームと,バーを顎までしかつけないフォームでは背中の筋肉の収縮範囲が違うと分かるはずです。
※背中へ効かせることを認知したうえで,可動域をアゴまでしか必要としない例外を除く。
懸垂で胸へ引き寄せるには,それなりの筋力が必要になってきます。その際には,ラットプルダウンを利用したり,やむなくいける可動域までの懸垂でトレーニングするのが良いと思います。個人的には,懸垂という種目は上記で言っていたパワーグリップが必須だと感じています。
★POINT
ナローグリップのラットプルダウンや,ナローチンニングは回数を重ねやすいことからもワイドチンニングよりも負荷が軽いと思われがちですが,人によってはナローグリップの懸垂の方が背中を意識できる場合もある。
参考: ウイダー・トレーニング・バイブル