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腹筋のコツ~効かせるクランチ~

「フン!…フン!…フン!」———。シットアップベンチ台を傾斜にして腹筋をフル可動域で一生懸命やっていた時期があった。それを何日か続けていると…「フン…!フン…!…イタッ…!あ、あれ?」お尻の皮がひどくめくれていたことに気付く。「まあ,いいか」と,根性論で続けていると次第にヒリヒリするように痛くなり,腹筋種目の継続が出来ない悪循環に襲われた。
傷つく理由も知れなければ闇雲に腹筋運動をやってしまう時期というはありがちだ。闇雲な腹筋運動というのはフル可動域でしっかりやってるつもりの状態のことを言う。この闇雲な腹筋運動をしていると,腰を痛めてしまったりお尻がスレて皮がめくれてしまったりする場合がある。
今回は” 効かせる腹筋 “ということをテーマに腹筋運動のコツを紹介していきます。
腹筋に効かせるための手のフォーム
効かせるためのクランチ種目の手の位置は,手を頭の後ろで首を支えないことにある。手を頭の後ろで組み,首を支えてしまうことで知らない間に手の力や反動を使って身体を起こし,楽をしようと腹筋トレーニング(?)しているということになってしまう。
手の力を使って腹筋トレーニングをしているということは,腹直筋への負荷が必然的に緩くなる。目的は腹筋を鍛えることなのに,回数を積むことだけ,達成したいことだけを考えてしまっている。また,手の力で頭を持ちあげるように腹筋を行うことで場合によっては首に負担が掛かりやすく,首を痛めてしまう恐れもあるので注意が必要だ。
手を首に添えないと首がダルくなってしまうという人は,しっかりアゴを引いて腹筋運動を行い,腹筋種目に慣れる必要がある。
★POINT
手の位置は胸あたりに添えたり,耳の横に添える。目的はただ,回数を達成させたい自己満足なのか?筋肉へ効かすことなのか?を明確にする。アゴをひかなければ首が疲れやすい。
効かせる腹筋の可動域
効かせる腹筋の可動域というのは” オヘソを覗ける程度の範囲まで “で十分腹直筋に効かせることができます。フル可動域で腹筋トレーニングを行ってしまうと,先ほど言った通りお尻がスレて怪我をしてしまったり,トップポジションを通過して筋肉を知らない間に休ませてしまったり,ネガティブ時(身体を地面に戻す時)に脱力してしまい筋肉を休ませてしまう傾向にあるんです。
結果的に,回数は詰める傾向にありますが,腹筋に効かせるまでに時間が掛かるうえにその他の負担を背負うことになりやすいです。
また,コツとしてはオヘソを覗き込む時に0,5秒停止するイメージ,身体を地面に戻す時(ネガティブ時)に筋肉の緊張を解かないイメージで腹筋トレーニングを行うことで,より腹直筋に負荷が掛かりやすくなります。
★POINT
ポジティブ時(筋凝縮時)もネガティブ時(戻す時)も,いかに負荷を逃がさないか?が大事。
効かせる腹筋の呼吸
腹筋運動というのは呼吸を意識することで筋肉への効きも3割り増ししなる。息を吸って吐いての呼吸で腹筋トレーニングをする方法があるように,呼吸次第では普通のクランチで十分筋肉に効かせることが可能だ。
さて,効かせる腹筋の呼吸というのは,腹筋凝縮時に「 フー! 」と息を吹き” 切る “ことで筋凝縮にさらなる負荷を与えることが出来る。コツとしてはただ単に息を吹くだけではなく,ポジティブ動作中にあらかじめ息を吐いておきながらトップポジションで息を吹き切るイメージで行うと腹筋に負荷が効率よく乗せられる。また,戻る時(ネガティブ時)に息をスっと吸い込み次の呼吸への準備を整える。
★POINT
腹筋凝縮時,オヘソを覗きこむのと同時に0,5秒停止を意識しながらも息を吹き切るとギュっと腹直筋に負荷が乗りやすい。
効かせるクランチで追い込んでみました
-動画まとめ-
- おヘソを覗き込むまでの可動域で追い込む
- 腹筋凝縮時に息を吹き切るように呼吸を意識
- 腹筋凝縮時に0,5秒程停止するイメージで追い込み
- 反動を使わない
- インターバルは10秒~20秒程
★POINT⇒腹筋種目を行う際,腹直筋は筋肉の回復が速いので休憩はあまりとらないようにしています。

腹筋種目は身体の柱となる部分にもなるので,トレーニングの最後に行うのが良い。先に腹筋運動を行ってしまうと,他の部位への追い込みパフォーマンスが落ちてしまうからだ。今回紹介したクランチのコツでは,フォームや呼吸などによって腹筋への効き方が変わってくるということ。
どのようなトレーニング種目にも言えることだが,目的を忘れてはならない。目的は” ただ “回数を達成させることではなく,あくまで筋肉に効かせるということ。
writer-SR